
セカンドオピニオンとは、現在の主治医とは別の医師に診断や治療について「第2の意見」を求めることを言います。セカンドオピニオンを受けることで、診断への安心感の向上や選択肢の拡大、病気への理解が深まるなど様々なメリットがあります。今回は、セカンドオピニオンの目的や受ける際に押さえておくべきことなどをご紹介します。
セカンドオピニオンとは?
セカンドオピニオンとは、現在の主治医とは異なる医師に、診断や治療について「第2の意見」を求めることを言います。セカンドオピニオンと聞くと、「主治医を変えること」「転院して治療を受けること」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、それは誤った認識です。あくまでも、他の医師に「意見を聞くこと」がセカンドオピニオンです。
▼ 関連リンク
セカンドオピニオン:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
セカンドオピニオンとは 東京都保健医療局
セカンドオピニオンの目的とメリット
セカンドオピニオンの目的は、より良い医療を選ぶことです。治療について「この診断で本当にいいのかな?」「他に自分に合う方法はないかな?」と感じることもあるでしょう。そんなときに、別の医師の意見を聞くことで、新たな選択肢が見つかるかもしれません。セカンドオピニオンを受けることで、主治医からは提案されていなかった治療法を知る機会になることもあります。また、複数の治療法の中から自分に合ったものを選びやすくなり、納得して治療に臨めるのも大きなメリットです。
たとえセカンドオピニオンの結果が主治医と同じ診断や治療方針だったとしても、別の医師の説明を聞くことで病気や治療についての理解が深まり、不安が和らぐこともあります。自分の治療についてより前向きに考えられるようになるのが、セカンドオピニオンの大きな役割です。
どんなときにセカンドオピニオンを受診する?
セカンドオピニオンは、治療や診断について他の医師の意見を聞くことができる大切な機会です。例えば、こんなときに利用されています。
- 主治医の説明に疑問がある、もっと詳しく知りたいとき
- より自分に合った選択肢を探したいとき
- 別の視点から意見を聞いて安心したいとき
- 他に良い方法がないか相談したいとき
- 重要な判断をする前に、より詳しいアドバイスを受けたいとき
セカンドオピニオンを活用することで、自分にとって最適な治療を選ぶ手助けになります。気になることがあれば、一度相談してみるのもよいでしょう。
セカンドオピニオンの進め方

医療機関の探し方も含め、セカンドオピニオンの進め方についてご説明します。
セカンドオピニオンを受ける医療機関の探し方
最近は「セカンドオピニオン外来」を設ける医療機関が増えています。まずは、セカンドオピニオン外来のある医療機関を探すのが良いでしょう。より高度な専門性を有する医師の意見を聞きたい場合は、現在の主治医に相談して、医師を紹介してもらうのも選択肢の一つです。
がん治療に関するセカンドオピニオンであれば、がん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談支援センター」に相談することも可能です。がん相談支援センターでは、お住まいの地域でセカンドオピニオンを受診できる病院や、各病院の専門領域などに関する情報を得ることができます。
また昨今は、オンラインでセカンドオピニオンを受けられる「オンラインセカンドオピニオン」に対応する医療機関も増えています。ご自宅から遠い医療機関でセカンドオピニオンを受けたい場合などは、オンラインセカンドオピニオンに対応しているかどうかを確認してみましょう。
セカンドオピニオンを受ける流れ
セカンドオピニオンを受ける際は、以下のような流れで進めていくのが一般的です。
① 主治医にセカンドオピニオンを受けることを伝える
現在の主治医に、セカンドオピニオンを受けたい旨を伝えます。心情的に言いにくいかもしれませんが、遠慮せずに申し出ましょう。主治医に相談することで、現在の診断や治療の経緯を詳しくまとめた紹介状や検査結果を用意してもらえますし、セカンドオピニオンの医師も正確な情報をもとに意見を述べることができ、より的確なアドバイスを受けられる可能性が高まります。
② セカンドオピニオンを受ける医療機関を決める
セカンドオピニオンを受ける医療機関を決めます。選び方は上述のとおりです。医療機関が決まったら、問い合わせて必要な手続きなどを確認します。
③ 主治医に紹介状やデータをもらう
現在の主治医に、紹介状(診療情報提供書)や、これまでの検査データを準備してもらいます。
④ セカンドオピニオンを受ける
聞きたいことを整理してセカンドオピニオンに臨みましょう。メモなどを準備していくことをおすすめします。
セカンドオピニオンを受けた後は
セカンドオピニオンを受けたら、その結果を現在の主治医に報告します。セカンドオピニオンを受けることで、診断や治療方針に対する考えが変わることもあります。もう一度、自分の認識や気持ちを整理し、それを伝え、今後のことについて再度話し合いましょう。
セカンドオピニオンを受けた結果、「セカンドオピニオン先の病院で治療を受けたい」と思うこともあるでしょう。その場合は、転院の意向を伝え、あらためて紹介状など必要書類の準備をお願いすることになります。
セカンドオピニオンを受ける際の注意点

セカンドオピニオンを受ける際は、以下の注意点を認識しておきましょう。
主治医の意見(ファーストオピニオン)を十分に理解する
セカンドオピニオンを受ける前提として、ファーストオピニオンを十分に理解することが重要です。ファーストオピニオンの内容を正しく理解できていないと、セカンドオピニオンを受けても的確な判断ができない可能性があります。複数の医師の意見を聞くことでかえって混乱し、どうしていいのかわからなくなってしまうケースも少なくありません。そうならないようにするには、診断内容や病気の進行度、治療方針や治療方法など、ファーストオピニオンをきちんと理解していなければいけません。
セカンドオピニオンはあくまでも第三者の意見を聞くこと
セカンドオピニオンというと、「主治医を変えること」や「転院すること」と思われる方もいるかもしれません。しかしそうではなく、今の治療について他の医師の意見を聞き、より納得して治療を進めるためのものです。
セカンドオピニオンはあくまでも主治医以外の医師に意見を求めることです。セカンドオピニオン先の医師は検査データなどの診療情報を見て、「第三者」として診断や治療方針について意見を述べたり、情報提供をしたりします。
セカンドオピニオンを受けたからと言って、その医療機関で診断や治療をしてもらえるわけではありません。もし、セカンドオピニオンを受けた医療機関で診断・治療を受けたいのであれば、現在の主治医に相談し、転院の手続きを進める必要があります。
医師以外の意見も聞いてみる
セカンドオピニオンを受けるかどうかで悩んでいる方は、医療ソーシャルワーカーに相談してみるのも一つの手です。医療ソーシャルワーカーは、保険医療機関において患者の抱える心理的・経済的な問題の解決を図る専門職です。医師とは違った立場から、客観的な意見・アドバイスをもらうことができます。その他、セカンドオピニオンを受ける病院探しや、必要な手続きなどもサポートしてもらえます。
また、直接医師に相談しにくい場合などは、看護師や病院の相談窓口に、セカンドオピニオンを考えていることを伝えてみるのが良いでしょう。
まとめ
セカンドオピニオンは、治療や診断について他の医師の意見を聞くことができる大切な機会です。セカンドオピニオンを受けることで病気や治療についての理解が深まり、納得して治療に臨めるようになる方も多くいます。また、主治医から提案されていなかった治療法を知り、複数の治療法の中から自分に合ったものを選択する機会にもなります。
セカンドオピニオンは保険が適用されず、費用は全額自己負担になりますが、医療費控除の対象にはなります。SBIメディックでも、セカンドオピニオンを受けられる医療機関のご紹介が可能です。
SBIメディックでは、東京駅直結の上質な空間で会員制人間ドックを受けることができ、経営者をはじめとするエグゼクティブの方々に向けた国内最高峰の予防医療サービスをご提供しています。人間ドックを中心とする「予防サポート」はもちろん、専門医のご紹介やセカンドオピニオンなどの「治療サポート」、抗加齢医療や再生医療、エイジングケア、デンタルケアなど加齢に伴い重要になる「エイジマネジメント」までを一体でご提供することで、「いつまでも若々しく健やかな人生」をお送りいただけるようサポートいたします。