睡眠の質を上げる方法は?質が下がる原因も紹介

SBIメディック編集部
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睡眠の質は、判断力や思考力、集中力に直結し、ビジネスの成果を左右する重要な要素です。また、睡眠不足が慢性化すると、糖尿病や心疾患といった深刻な健康リスクを招く可能性もあります。だからこそ、日々多忙を極める経営者のみなさまには、質の高い睡眠を確保する意識が求められます。本記事では、睡眠の質とは何かを明らかにするとともに、睡眠の質を低下させてしまう原因や睡眠の質を上げる方法などについて解説いたします。

睡眠の質の定義とは

睡眠は、健康の維持・増進に不可欠な休養活動であり、睡眠が悪化することで、様々な疾患の発症リスクが増加し、寿命短縮リスクが高まることが指摘されています。

睡眠時間が睡眠の「量」を反映する指標であるとすれば、睡眠休養感(朝、目覚めたときに感じる休まった感覚)は睡眠の「質」を反映する指標だと言えます。良い睡眠をとるためには、睡眠の量(睡眠時間)と質(睡眠休養感)が十分に確保されていることが重要です。

睡眠の重要性

睡眠不足が慢性化すると、次のように健康に悪影響が及ぶのはもちろんのこと、社会的な損失・負担にもつながります。

健康リスクの増大

睡眠不足は肥満の原因になるほか、糖尿病や心疾患などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

パフォーマンスの低下

睡眠不足は生産性や判断力を著しく低下させ、仕事や学業に支障をきたすおそれがあります。

精神的な影響

睡眠不足はうつ病や不安障害のリスクを高め、精神的な健康問題を引き起こす可能性があります。

経済的損失

睡眠障害、睡眠不足による日本の経済損失は年間で約15兆円に及びます。企業の業績にも直接的な影響を与えます。

医療費の増大

睡眠関連の健康問題によって医療費が増大すると、社会保障制度にも大きな負担がかかります。

事故リスクの増加

睡眠不足は、交通事故や労働災害のリスクを高めます。

不眠症の危険性

以下は、不眠を感じている日本人の割合を示すデータです。

2,559人中、不眠の有症状率32.7%
入眠困難14.9% 中途覚醒26.6% 早朝覚醒11.7%
※参考:Furihata R,et al:Sleep Med. ; 13(7): 831-7.2009

不眠によって睡眠不足が慢性化すると、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患や脳血管障害の発症リスクが上昇し、死亡率の上昇にもつながることが明らかになっています。また、うつ病などの精神疾患においても、発症初期から睡眠の問題が出現し、再燃・再発リスクを高めることが知られており、睡眠の問題自体が精神障害の発症リスクを高めるという報告もあります。

以下はアメリカの統計ですが、不眠症によって慢性疾患の発症率が高まることを示すデータです。

18~65歳までの3,282人の男女、不眠症の有病率21.4%

  • 高血圧1.6倍
  • 糖尿病1.4倍
  • 胃潰瘍2.1倍
  • 関節炎1.8倍
  • 偏頭痛1.8倍
  • 気管支喘息1.6倍
  • 慢性閉塞性肺疾患1.9倍
  • 神経疾患2.0倍

このような慢性疾患を予防するためには、日常的に質(睡眠休養感)・量(睡眠時間)ともに十分な睡眠を確保することが重要です。

睡眠の質を下げる要因

睡眠の質を下げる要因は様々ありますが、よく指摘されるのが「寝室環境」「ストレス」「運動不足」の3つです。それぞれについて簡単にご説明します。

寝室環境

睡眠の質を左右する大きな要因になるのが、寝室の「光」「温度」「音」です。スマートフォンなどが発するブルーライトは体内時計に影響を与え、寝つきを悪化させると言われています。また、照明をつけたまま寝ることも中途覚醒を増やし、睡眠の質を下げる原因になります。寝室の温度も重要であり、特に夏場、寝室の温度が高いと睡眠の質が低下しがちです。また、テレビをつけたまま寝るなど睡眠中に騒音があると、覚醒回数を増やし、深い眠りが妨げられることが報告されています。

ストレス

ストレスは、睡眠の質を低下させる要因の一つです。仕事や家庭、人間関係などで悩みや不安を抱えていると、脳が興奮状態になり、眠りにつきにくくなったり、夜中に目が覚めたりします。これは交感神経が優位になり、脳が休めない状態になるためです。結果として深い眠りが得られず、「朝すっきり起きられない」「日中に強い眠気に襲われる」といった不調が現れます。程度によっては、心療内科など専門的なサポートが必要になることもあります。

運動不足

日中の運動不足は、寝つきの悪化や睡眠の質の低下につながる要因の一つです。睡眠は、日中の身体活動で消耗した体力を回復させる役割を担っています。しかし、日中の活動量が少ないと体が適度な疲労を感じられないため、夜になっても自然な眠気が訪れにくくなります。実際に、運動習慣がない人は睡眠休養感が低いことが報告されています。また、年齢を重ねると運動習慣が減る人が多いため、眠りにくくなる人も増加する傾向にあります。

睡眠の質を上げる7つの方法

睡眠の質を上げるためには、まず自分の睡眠がなぜ乱れているのかを知ることが先決です。原因は人それぞれ異なるため、改善策も人によって変わってきます。以下では、睡眠の質を上げるための7つの方法をご紹介します。

眠りのサイクルを知る

私たちの眠りには、レム睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。レム睡眠は、身体は休んでいるものの、脳は覚醒に近い状態で、浅い眠りとされています。一方、ノンレム睡眠は、身体も脳も休息している状態で、より深い眠りをもたらします。ノンレム睡眠は3段階に分かれており、段階3がもっとも深い眠りです。

通常、就寝するとノンレム睡眠が段階1→2→3の順で出現し、その後、レム睡眠に移行します。この一連のサイクルは約90分で、一晩に4~5回繰り返されます。睡眠の質を上げるためには、この「眠りのサイクル」を意識することが重要です。

規則正しい生活習慣を身につける

就寝時刻や食事のタイミングが不規則になると、睡眠不足を招くだけでなく、体内時計が乱れ、睡眠の質が低下します。睡眠の質を上げるためには、規則正しい生活習慣が不可欠です。毎日同じ時間に就寝・起床することで体内時計が整い、自然と眠りにつきやすくなります。休日も同様のリズムを保つことが大切です。

また、日中は明るい場所で活動的に過ごし、夜は照明を落としてリラックスするなど、一日の生活にメリハリをつけることも効果的です。

寝室環境を最適化する

睡眠の質を上げるためには、寝室環境の最適化が欠かせません。寝室はできるだけ暗く静かにして、適切な室温(夏は涼しく、冬は暖かく)を保ちましょう。快適な寝具の使用も、睡眠の質を上げる要素の一つです。

また、就寝前に脳に刺激を与えるのを避けるため、寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まないようにしましょう。近隣の騒音や照明が気になる環境では、防音・遮光カーテンを使用する、ベッドの位置を調整するなどの工夫が求められます。

ストレス解消に努める

睡眠の質を上げるためには、ストレス解消に努めることも大切です。日中のストレスは睡眠休養感を低下させる要因であり、不眠症はストレスを契機に発症することも報告されています。

就寝前に心身をリラックスさせることは、ストレス解消に効果的です。寝床に就く前に少なくとも1時間は家事や仕事、勉強に追われず、ゆったりと過ごす時間を確保しましょう。また、入浴や読書、ストレッチや深呼吸、音楽やアロマなど、自分に合ったリラクゼーション法を取り入れることもストレス解消につながります。

食事・入浴の時間に配慮する

睡眠の質を上げるためには、食事や入浴の時間に気を配ることも大切です。就寝直前に食事をすると、消化のために内臓が活発に働き、眠りが妨げられる可能性があります。食事はできるだけ就寝の2〜3時間前までに済ませましょう。

また、就寝1〜2時間前にぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、深部体温が下がり、自然な眠気が促されます。入浴は血行促進や副交感神経の活性化にもつながり、心身をリラックスさせて質の高い眠りを導いてくれます。

運動習慣を身につける

適度な運動習慣も、睡眠の質を上げるために効果的です。日中の運動によって体力を消耗することで、夜になると自然な眠気が促され、入眠しやすくなります。

また、運動習慣がない人は、睡眠休養感が低い傾向にあることが分かっています。運動には深い眠りを助ける効果もあり、睡眠休養感の向上にもつながります。運動は激しいものでなくても構いません。ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で習慣化することで、睡眠の質を上げることができるでしょう。

専門家に相談する

眠れない(不眠)、眠っても休養がとれた感覚がない(睡眠休養感の低下)、日中の眠気・居眠り(過眠)などの睡眠に関連する症状は、寝室環境や生活習慣、ストレスなど、様々な要因によって引き起こされます。

上述した方法で改善が見られないときは、専門家への相談をおすすめします。睡眠外来や睡眠カウンセリングを受診し、医師など専門家の診断・治療を受けることで、睡眠の質を上げることが可能です。

まとめ

健康を維持・増進するためには、睡眠の質を上げることが重要です。睡眠不足は、高血圧や糖尿病、心疾患など様々な病気のリスクを高める原因になることが分かっています。「最近よく眠れない」「疲れがとれない」などと感じている方は、何らかの病気が隠れているかもしれません。SBIメディックの人間ドックは、睡眠に関連する病気のリスクを含めた健康リスクを早期に発見することができます。

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※参考:健康づくりのための睡眠ガイド 2023|厚生労働省

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