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ドクターコラム

峯岸祐之[みねぎしまさゆき]東京国際クリニック/医科
形成外科医(毛髪再生治療、美容外科治療)

峯岸祐之

生活の質が大きく低下する「帯状疱疹」は
予防できる疾患です

高齢化に伴い増加している帯状疱疹

 高齢になるに従ってさまざまな病気に罹るものですが、中でも免疫力の低下が原因で発症する「帯状疱疹」はチリチリとした神経痛のような痛みが3週間ほど続く皮膚の病気で、QOLを大きく低下させる病気といえます。帯状疱疹は50歳を過ぎると罹りやすく、女性に多いと言われていますが、20歳代、30歳代の男性をはじめ、年齢、性別に関係なく罹り得る病気です。
 帯状疱疹が重症化すると自殺を考えるほどの痛みを伴うことがあるとも言われており、顔面では顔面神経の動きが悪くなったり、眼の付近にできると失明の危険性もあります。また、下肢にできると歩行困難などの予後(治療後の状態)が良くない病気と言えます。
 さらに帯状疱疹が厄介なのは、治療後も「帯状疱疹後神経痛」という特有の後遺症があり、長い人では数年間も痛みが残り続けることがあります。
 帯状疱疹の原因は、水痘(水疱瘡)ウイルスと同じウイルスです。小さいころに水疱瘡に罹り、治療をして完治したとしてもこのウイルスは体内に残ります。無症状の潜伏期間を経て50歳を過ぎて再度発症すると「帯状疱疹」と呼ばれます。

帯状疱疹を発症する要因と経過

 帯状疱疹の発症には体内の免疫力が大いに関係しています。その要因として加齢、過労、過度のストレスが挙げられ、悪性腫瘍や重症感染症でも発症します。通常の健康体では体内で水痘ウイルスが再発しようとしても強力な抗体(免疫力)によって抑えられているのですが、何らかの要因で免疫力が低下すると、ウイルスが活性化して発症してしまうのです。
 最初は皮膚に違和感を覚え、やがてチリチリとした焼けるような痛みやチクチクとした刺すような痛みが出てきて、発赤(皮疹)が現れます。同時に発熱やリンパ節が腫れることもあります。その後、水ぶくれとなり、ただれたような「びらん状態」になって、やがてかさぶたになります。その間、痛みも続きます。

帯状疱疹の治療と後遺症

 受診すると抗ウイルス薬が処方されます。あまりの痛みにペインクリニックを受診される方もいますが、あまり効果がないケースもあります。後遺症である帯状疱疹後神経痛は、皮疹が消失した後も鈍く熱感のある突き刺すような痛みが続き、これが原因でうつ病や不眠に悩まされる方もいます。また、何年もこうした症状が続くケースもあります。

ワクチン接種で予防できる帯状疱疹

 このように、一旦罹ると仕事も手につかなくなるような帯状疱疹特有の痛みですが、50歳を契機にワクチンの予防接種をするだけで、罹りにくくなることが可能です。ワクチンを打つと、水痘ウイルスに対する抗体をパワーアップすることができ、免疫力を高めることができるので、帯状疱疹に罹りにくくなると同時につらい後遺症にもならずにすみます。
 さらに、ALA(5-アミノレブリン酸)などのサプリメントを日常的に飲むことで免疫力をより高めることができます。「いま飲むサプリは10年後のあなたの健康を守る」と言われるように、少し長い目で見た健康づくりもご高齢になる前の準備としてお考えいただけるといいと思います。

帯状疱疹ワクチンをお申込みください

 帯状疱疹ワクチンの有効な期間は20年~30年と言われていますが、50歳を過ぎてから投与されれば、一生に一回の投与で済む可能性もあります。
 帯状疱疹はまだまだ認知度の低い疾患です。罹り始めの初期では症状もわかりにくく見た目に発赤などが現れてからでは処置が遅れがちです。50歳を過ぎたらぜひワクチン接種をお勧めいたします。人間ドックをご予約の際に「帯状疱疹ワクチンを」とナースコンシェルジュにお申しつけください。ワクチンの予防接種で、その後の帯状疱疹については安心してお過ごしいただくことができます。ぜひこの機会にご検討ください。

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