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Medicコラム

峯岸祐之[みねぎしまさゆき]東京国際クリニック/医科
形成外科医(毛髪再生治療、美容外科治療)

峯岸祐之

社会生活をより豊かに過ごすために

① そのホクロ、安全ですか?

ホクロの多い方、少ない方いろいろですが、私たちは胎内にいるときからみなホクロになる細胞を身体のあちこちに持っています。それが紫外線などの刺激や思春期、更年期のホルモンの分泌バランスの変化などによりホクロになると言われています。
 ですから、ホクロは全く新しくぽっと生まれるというものではありませんし、ホクロ自体は決して危ないものではありません。
 しかし、以下のようなものには注意が必要です。

2年くらいで急に大きくなってきた
表面がジュクジュクしている
くさい臭いがする
色が周囲に広がっている
色がマジックで塗りつぶしたような真っ黒
テカテカと艶のある表面

 これらは、ホクロに似ていても悪性である可能性もありますので、気になる場合は受診して検査を受けられるようお勧めします。このホクロが悪性黒色腫(メラノーマ)である確率はホクロ10万個に対し1個程度ですから通常はほぼ安全と言えますが、可能性は排除できません。
 メラノーマは悪性度の高いがんの一種ですから、放置していると危険であると言えます。同じメラノーマでも皮膚の浅いところに留まるものと、深部に浸潤していくタイプがあり、浸潤するタイプはさらに危険であると言われています。
 メラノーマ以外にも、見た目がホクロに似ているものとしては「基底細胞がん」と「扁平上皮がん」と呼ばれるものがあります。これらも組織を採って検査をしてみることで鑑別診断が可能です。

 

ホクロの好発部位

 ホクロができやすいという部位は特にありませんが、やはり紫外線などの刺激を受けやすい顔や手足などの露光部が比較的多いようです。紫外線は悪性腫瘍への影響も大きいですし、老化の原因にもなります。

 

ホクロの診察

 受診されるとまず肉眼でホクロの状態を拝見して、少し怪しいというときはダーマスコピーという器具を使って拡大観察します。さらに少し怪しいとなったら、組織を採ってがんの有無を確認する生検を行います。(保険適用されます)
 ダーマスコピーで拡大観察すると、手掌・足底は皮膚には細かい溝があり、その溝の底に色のついているものは良性と言われており、溝の上が黒いものは悪性の可能性があると言われています。

 

悪性腫瘍の治療

 メラノーマと診断がついた場合は、大きめの範囲で切除手術を行います。お顔の場合はあまり広く切除することは難しいのですが、深めに切除する必要があります。また、基底細胞がんは転移することは非常に稀なため、通常がんの方ではできない臓器提供も可能です。切除することもそれほど困難ではありません。こうした腫瘍を長期間放置すると、周囲の組織を破壊しながら進行することがあります。

 

がんとホクロの関係

 ホクロとがんとの関係では、消化器系の胃がんなどを患っている方は急にホクロが増えてくることがあると言われています。ホクロが何らかの刺激となっていると思われます。ですから「最近ホクロが増えてきた」と言われる方には「最近、内視鏡検査を受けていらっしゃいますか?」と伺い、受けていない方には検査をお勧めしています。実際には大事に至らない方が多いのですが、これも可能性の問題です。

 

日光角化症について

 ホクロからがんになる確率はあまり大きくはないのですが、意外と見落とされているものに「日光角化症」という疾患があります。これは、紫外線でできる皮膚がんの代表的なもので、長期に放置しておくとがんになる可能性が高いものです。これも早期に発見して対処すれば治る病気です。これは顔や頭部、毛の生え際などに多く現れます。
 一見したところ皮膚のかぶれのように見えますが赤味を帯びて少し痒みもあり、表面はカサカサしていたり赤くなったりすることもあります。受診して処方された薬を塗ると少し良くなりますが、その後も放置していると同じようなところに再発を繰り返します。これを半年くらい繰り返す方は、ぜひ一度受診して精密検査を受けていただきたいと思います。
 日光角化症は皮膚の表面に留まっているので、この段階での治療法としては軟膏で患者さまの免疫力を高め、皮膚の表面を剥がしていくことを2週間ほど続けます。この方法でかなり効果が見られます。他にも液体窒素を使った方法やレーザー光線を使用した治療法も開発されています。こうした治療で効果が得られず再発を繰り返す症例には、外科的治療が行われます。

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